「ほしてインサイドはなんとかいなるとしいや、冷泉はんはどないしますん?」



「だから、ゾーンだけじゃなくて、プレスを組むんだよ」



槐の質問に、答える俺。そして、その答えに、行雲先輩が不敵な笑みを浮かべる。



「遂に俺の時代っちゅう訳やな?」



「そーゆーこと。頼むよ、行雲先輩」



きっとあの緻密なシュートを癖を見極めて止めれるのは、行雲先輩だけだろう。



「あの2メートルの仇野君を止めるんは、骨の折れる仕事やわぁ」



勘のいい桜山は、俺が向こうが強行オフェンスとしてインサイドに強い泰ちゃんを使ってくるだろう、と予想したことを、伝える前に読み取る。



あの柔らかな動きと冷静さを見るに、敵に回すのは怖そうな気がするけどね、この人は。



「今日限りのチームですが…勝ちましょう」



「「「「おおっし!!」」」」



作戦も万全。俺達は気合い充分に、立ち上がった。