【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

もー、何でこの人こんなに泣き虫なの、困る。



「分かった。槐にも作って送ってあげるから、泣かないで、ね?」



「ほんまどすか?」



「ほんま、ほんま。だから泣くなって!」



これじゃどっちが弟なのかわかんねーよ。ブラコン、よくもまぁ数年も俺に会わないで生きてこれたな。



そんな俺達に気付いたのか、秀吉キャプテンと有ちん先輩がこちらへやって来る。



「あらら、小鳥遊ダメやんか、お兄ちゃん泣かせたら」



優しい有ちん先輩が、柔らかそうな素材のハンカチで槐の頬を拭きながら、困ったように笑う。



「ちゃうんどす。あんさん達が羨ましいから泣いてるんどす。かいらしい椿んプレゼントなんて」



その槐の発言に、二人の動きがフリーズ。



「………ブラコンか」



「えぇ、重度の」



秀吉キャプテンの呟きに俺が答えると、有ちん先輩が『こりゃ困った』とヘラヘラ苦笑いした。