【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

「俺、エナメルバッグに着ける!チビピカ!」



「あー!俺も!チビ行雲ぉ!」



バスケ部で作った名前入りのエナメルバッグに、かわいこちゃんズが編みぐるみを着けに走ると、他のメンバーも立ち上がる。



「俺達もそうしよう。小鳥遊からのお守りだからな」



「そうだね。こぎゃん可愛いお守り貰ったら、大事にするしかなかやんなぁ」



優しく伏し目になる秀吉キャプテンと、爽やかに微笑む有ちん先輩。



「皆嬉しかとよ。多分、色々貰った中で一番ね。俺もそうやし」



泰ちゃんもふふふ、と柔らかく笑い、立ち上がった。



あー、喜んで貰えたなら嬉しいわ、俺も。なんか、貰ってすぐ即行で身に付けて貰えると嬉しい女子の気持ち、スゲェ分かる。



俺も嬉しくて、自分で作った小さな自分をエナメルバッグに着けようと立ち上がると、視線を感じる。



襖の方だな……え、夕方なんだけど、お化け?こわっ!



そーっとそちらに目線を移すと、そこには……。



「羨ましい羨ましい羨ましい……」



負のオーラ全開の、ブラコン、槐。



「槐、何やってんの?」



「椿ん愛情こもった編みぐるみストラップなんて、羨まし過ぎて泣きそうどす!」



いや、もう泣いてるからね。涙ポロポロ流れてますからお兄様。