【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

「えー、呼び寄せたのは、皆に渡したいものがあって」



コホン、と咳払いを落とし、持っていた袋を一軍で囲んで作っていた輪の中心に置く。



「えー?何やろ………うわ!カワイー!皆が入っとる!」



何とかインターハイ前に完成した、俺の分も含めた6体の、それぞれの編みぐるみ。



小さな編みぐるみの中には、綿と一緒に願いが叶うって言われてる有名な神社の砂を少し入れたから、ホントにお守りな訳で。



それぞれ、背番号の着いたユニフォームを着た風に編んだ編みぐるみを、皆が手に取る。



「何で椿ちゃん男なん?可愛すぎる!ってか、もう男でもいいわ、付き合お!」



「何すっとやピカ先輩!椿は俺のやぞ!」



ちょ、彼女持ちと気になる女子いるかわいこちゃんズ、俺を取り合うなし。



「先輩方は本命がおるとでしょ?…椿は、俺んマイブラザーなんで」



そんな二人から救ってくれたのは、普段かわいこちゃんズの猛攻から上手く逃れてる泰ちゃんだった。