「椿、良かと?お母さんやろ?追いかけんと」
泰ちゃんに背中をポンポン、と叩かれはっと我に返る。
「いや…でも、何話したらいいか、分かんないや」
母親の記憶なんてないし、ずっと男所帯の中で育ってきたし、それを寂しいとも、思ったことなかったし。
「小鳥遊、いいから行け。後悔する前に」
秀吉キャプテンが俺の手首をガシ、と掴み、大部屋の外へ追い出す。
戻ることも出来ないから、まだ遠くに行っていない、パステルグリーンの着物を着たその人の元へ、走る。
「あっ……の!」
どうしたらいいかなんて何も決めてないけど、でも、何故だか心に広がる温かな懐かしい感情に流されるように、声を出した。
振り返ったその人は、槐と同じ切れ長の瞳から、ポロポロ、と綺麗な涙を落とす。
「泣き方が、槐と一緒」
なんて訳の分からない感想がポロッと零れて、ついでに、よく分かんないけど、口元が緩む。
その人………俺のお袋は、静かな足音で俺に駆け寄り、俺に抱き着いた。
泰ちゃんに背中をポンポン、と叩かれはっと我に返る。
「いや…でも、何話したらいいか、分かんないや」
母親の記憶なんてないし、ずっと男所帯の中で育ってきたし、それを寂しいとも、思ったことなかったし。
「小鳥遊、いいから行け。後悔する前に」
秀吉キャプテンが俺の手首をガシ、と掴み、大部屋の外へ追い出す。
戻ることも出来ないから、まだ遠くに行っていない、パステルグリーンの着物を着たその人の元へ、走る。
「あっ……の!」
どうしたらいいかなんて何も決めてないけど、でも、何故だか心に広がる温かな懐かしい感情に流されるように、声を出した。
振り返ったその人は、槐と同じ切れ長の瞳から、ポロポロ、と綺麗な涙を落とす。
「泣き方が、槐と一緒」
なんて訳の分からない感想がポロッと零れて、ついでに、よく分かんないけど、口元が緩む。
その人………俺のお袋は、静かな足音で俺に駆け寄り、俺に抱き着いた。



