終業式後の昼。



夏休みに浮かれる生徒達をよそ目に、俺達水高バスケ部、ベンチを勝ち取った15人と、由貴先輩、箱田先生の合計17人は、熊本駅から新幹線に乗り込んだ。



一昨日、槐は一泊の熊本旅行を済ませ、早朝に京都へ帰り、そして、約束通り二日間の合同合宿が組まれた。



「まさか、凌華学院高校に椿ちゃんのお兄ちゃんがおったとはね」



隣に座るピカ先輩は、ウキウキとした笑顔で俺の膝に頭を乗せる。



「うー、ゆっくんばっか椿ちゃんが構うけん、ピカちゃん寂しかったとよぉ!」



「はいはい、よーしよし」



ホント何か、先輩なのに、凄い選手なのに、どうしてもペットの小動物にしか見えないや。



席を見渡すと、真後ろには体格の良い泰ちゃんが一人で二つ座席を使い寝ていて、斜め左前には、有ちん先輩と行雲先輩が寄り添うように寝ている。



そして、隣の座席には、秀吉キャプテンの肩に頭を預け寝る、由貴先輩の姿。



俺と、俺の膝を枕にしているピカ先輩は、そりゃもうニヤニヤ。