なんか、行雲先輩も槐も楽しそう。



柔らかな体使いやシュートは行雲先輩にはないし、タッパやパワー、跳躍力は槐にはない。



無いものを求めてお互いが高め合う、そんな1on1。



「椿、きっとこの先、もっともっと、こんな風景をお前は見ることになる。バスケは………だから、辞められないだろ?」



「うん、楽しい。ウキウキするよ」



見たことのない何か。自分より強い、誰か。



底が見えないからバスケは、こんなにも楽しい。



「椿ィ!パパ!2対2でやろう!そん方が何倍も、楽しかやろ!」



キラキラと、夜を照らすような行雲先輩の笑顔に、俺達は縁側から立ち上がった。