「とどのつまり、あんさん達とはライバルちゅうことやね」



「じゃあさっきの偵察になるやっか!」



ポワンとはんなり話す槐に、行雲先輩が鋭く突っ込む。



「そないなってしまいますね。オフェンスん御劔はんに、シューターん冷泉はん、インサイドとブロックの仇野君、リバウンドん行雲と、司令塔の椿。ええモンを見たんやぁ」




「チクショー不公平だ!」



お得意のブー垂れ攻撃をかます行雲先輩に、槐は艶っぽく笑う。



「そんなら僕達と、合同合宿やてします?ラッキーなことに家は旅館どすから、宿泊費はタダどすけど」



「え……そんなこと、出来っと?」



ブー垂れを止めてぽかんとする行雲先輩をよそ目に、槐がスマホを取り出す。



そして、おもむろにカメラを自撮りのインカメラにして、俺達に向ける。



「はい、ピース」



言われて、反射的にピースをしてしまった俺と行雲先輩。



槐は素早くラインを開くと、タイムラインに繋げた。



『熊本なう!弟と、熊本で出来た下品な友達は二人とも、えらいかいらしいどす。水前寺高校バスケ部員みたい。大会ではライバル!』



なんていうコメントつきで写メを曝すと、ものの数秒待たないうちに、槐のスマホに着信が入った。