【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

夏野菜を切りながら親父の話を聞いて、自分の人生がわりとドラマみたいだ、なんて他人事に思えた。



「確かに、槐と椿髪の色一緒やな。綺麗な、傷みのなか茶髪たいね。パパん遺伝子やな」



「気安く触れへんでおくれやす。あと、勝手に呼び捨て止めてもらえます?しかも、お父さんのことパパとか親しまいでおくれやす!」



ビシッと槐に手を払われた行雲先輩だけど、めげずにナデナデ。



「嫌やー!京都弁分からんけん、触りまくるー!」



「やめーなってば!畜生かいらしいって狡おす!」



どうやら槐はかなりツンデレらしく、でも、行雲先輩の可愛さに負けてる模様。



「ってか、椿何でチビの頃の記憶なかとよ?」



「ん?小3の時にクラスメイトと木登りしてて、頭から落ちたことあってさー、それより前の記憶って曖昧なんだよね」



別に、その時は基本的な記憶は大丈夫だったから、記憶喪失断定はされてないんだけど。



「はーいお待たせ!ご飯食べよー!」



食卓に、椿印、具材たっぷりゴロゴロ夏野菜カレーが並ぶと、姫と美人とオッサンが目を輝かせた。