【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~




親父に詳しい話を聞くと、親父とお袋は大恋愛だったらしい。



老舗旅館の若女将だったお袋。当時バスケのプロの実業団に入ったばかりだった18歳のガキが、試合で京都に行ったとき5つ歳上のお袋に一目惚れし、婿養子になる条件で結婚した。



ところが、NBAチームへの挑戦に、アメリカへ行くことが決まった時、時雨の実家に猛反対され、駆け落ち。



暫くアメリカで生活して、アメリカで俺達は生まれたみたいなんだけど、親父が24歳の時、時雨の祖母が亡くなりお袋が旅館を継ぐ為に、愛し合っていたが離婚したんだとか。



当時、俺が2歳、槐が3歳。



老舗旅館の番頭やお世継ぎの問題で親権を巡ったらしいが、俺が親父に、槐がお袋に引き取られることが決まった。



子供達には罪はない、ということで、親父と槐は定期的に会っていて、俺も小さい頃は遊んでいたみたい。



親父は26歳で引退し、横浜で就職したらしく、その頃から横浜在住。



で、俺は同じ日本人の子供と仲良くなり、毎日遊び呆けていたから、槐とは自然に会わなくなったみたい。