「ふぅぅ…流石にこん暑さはキツかね。俺でも疲れたばい」
練習終わり、午後13時。
厳しい練習をこなした水高メンツはそりゃもう、くたくた。
一番の体力保持者有ちん先輩ですら、かなりの汗だく。
「おっつー!お先ッス!」
なのに、行雲先輩は元気にデカイ声を張り上げ、足早に部室を後にする。
いつも疲れるとブー垂れるのに、恋の力は偉大である。
「元気やねぇ、可愛かぁゆっくん」
「ホント」
その可愛さに、ピカ先輩と二人でのほほん、としていると、二人揃って首根っこを掴まれて猫みたいな形になる。
「早く追わないと見失うぞ」
「ヤッベ!尾行尾行!」
俺とピカ先輩は急いで荷物をまとめ始める。
「まあ、そんなに焦らなくても大丈夫だがな。由貴が、図書館なら集合場所はここだろうという場所を教えてくれたから」
なら急かしなさんなや、とは言えず、秀吉キャプテンに従って着いていく。
「俺と仇野にも報告頼んだばーい」
背中に有ちん先輩の声を受けながら、状況報告はラインだな、とスマホを握りしめた。



