【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

「俺も、何となく言っとること分かる気がします。好きな子とのチューて、ぎゃん甘かですよね」



「おっ、泰ちゃんもチューは済んでんの?やっぱりゆっくん、ここは気張らなんとこばい」



「簡単に言うなし!」



ピュアボーイ泰ちゃんにすら先を越されてる行雲先輩は、取り付く島もない状態。



そんなんで貧血になんないのってくらい真っ赤っか。



「ってかぁ好きな子とのチューが甘いなら、秀ちゃんに関してはまだその味は未知数?」



オフェンスの妖精、朝から飛ばすな。秀吉キャプテンにまでオフェンスの矛先が向いた。



「だって秀ちゃんて、チューもエッチも済んでる癖、まだ誰かと付き合ったことなかとやろ?しかも本命には、チューはしっきらんとにエッチはしちゃった状態的なね」



しかもそのオフェンス、かなり強め。エキゾチックな微笑み付きときた。



「何迷っとるんか知らんばってん、いつまでもお互い両想いとか上手く行くんかねぇ?」



この人、由貴先輩と秀吉キャプテンの内部事情察してるんだやっぱり。



俺は本人から前聞いたけど、聞かなくても何となく二人って男女の特別な感じ匂わしてるしなー。



秀吉キャプテンはピカ先輩の痛いところをつくオフェンスに、『む』と口を動かす。ちょっと困ってる時の顔だ。



「………俺が動くのはインターハイの後だ。それまでに向こうが気持ちが変わってしまえばそれまでだし、万が一、取られてもボールはスティールして取り返すまでだろ」



わーお強気。なんか堂々と由貴先輩のこと好きって言ってるみたいで、こっちが恥ずかしくなるわ。