ディフェンスのターンは、俺達三人が三人ともぴりぴりする。



なんせ先輩達は、皆がスタープレイヤーで、攻撃も突出している。



インサイドはピカ先輩、外は秀吉キャプテン、ゴール下と空中は行雲先輩。



誰が動くにしても、止めるのは至難の業と言えよう。



ピカ先輩がスローインし、チームウロボロス、残りの二人がボールを取りに走る。



それを、一番の長身でさらっと奪うのは、秀吉キャプテンで。



歩ちゃんが、というより、この空間の全ての人間が息をつく間もなく細長い足でゴールへターンし、そのまま美しくシュートを放った。



「いかん!こん人についたところでこんかシュート止めっきらんばい!」



歩ちゃんはそのシュートを懸命に追いかけ、ゴール手前でのブロックにかかる。



しかし、微量ではあるが、独特の回転のかかったボールは、歩ちゃんの位置ではまだ落ちない。



ゴールギリギリまで高い弧を描きながら、くん、とゴールリングへ急降下するように滑り込む。



スパッ!…………トントントン。



それはもう、鳥肌ものの3ポイントだった。



「チックショウ!悪い夢ば見とるみたいや」



「いい夢の間違いだろう?」



冷たく微少する秀吉キャプテンは、そりゃもう美しくて、何を言っても様になる。



一筋縄にはいかないな、こりゃ。