ジャンプボール、互角の身長に互角の跳躍力の二人が同時にボールに触る。



「一年坊にパワーで負けっかい!」



しかしと言うべきか、やはりと言うべきか、パワーで勝る行雲先輩に軍配が上がり、ボールはワンバウンドし秀吉キャプテンの手の中に。



「さあ、一本行こう」



予想通り、向こうは頭脳面でも優れたキャプテンが司令塔。



俺達は話し合いの通りそれぞれの配置に。



「おっと、俺ん相手は椿ちゃん?一番やだなぁ」



1on1に関してだけは、ピカ先輩と互角に渡り合える俺。勝てる確率は50/50ってとこだけど。



この場合ピカ先輩に回すのは危険だと判断したのか、秀吉キャプテンは歩ちゃんの隙をつき、行雲先輩へボールをパス。



幸ちゃんは、無理に抜こうとする行雲先輩の足首が捏ねるくらいに、低いディフェンスで対応する。



「下がいかんなら、上や、上!」



それを察知した行雲先輩の高いパスを、秀吉キャプテンが飛び上がり、そのリーチの腕で押し込みにかかる。



「そんな強引なの打たせん、ですっ!」



バシッ!!



しかし、何たってこっちにはピカ先輩ばりのスタープレイヤー、歩ちゃんがいる。



歩ちゃんは秀吉キャプテンより高く飛び上がり、それを両手てしっかり掴むと、ブン、と誰もいないところへ投げた。



そして、ピカ先輩をフットワークとステップで避け、俺がそれを取る。



「幸ちゃん!」



「っし!先制点頂き!」



今度は幸ちゃんが空高く舞い上がり、ゴールへ向かってスラムダンク。



「ふん!そんなん打たすか!」



厄介なことに、これまた行雲先輩が良いタイミングでブロックにかかった。