それを受け取り外側へ広がったままドリブルをし、インサイドの泰ちゃんへパスをする。



「うちの監督はそれも予測済みじゃ!」



しかし、俺が泰ちゃんに回すのを既に分かっていた荒商のフォワードがスティールし御劔にボールが渡る。



「絶対止めるぞォ!有ちん先輩!」



「オッケー」



ゾーンを敷いた俺達の、行雲先輩と有ちん先輩のところから切り込もうとする御劔に、二人がかりで立ちはだかる。



だが、御劔は冷静だった。



行雲先輩をフェイクで右に、有ちん先輩を左に巧みに動かし、真ん中にコースを作った一瞬で抜き、レイアップが吸い込まれる。



水高56-56荒商



点差は同点。残り時間、21秒。