【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~

「チクショウ!返せ!今までの『椿ちゃん』への小さなときめきを!」



「あっ!!」



後半一発目のジャンプボール、せっかく泰ちゃんが取ってくれたのに、俺がドリブルしたところを後ろから狙った御劔が素早く奪う。



っていうか、スピード上がる要因俺が男ってことかよ!



やっぱり見た目は大人びてても、こいつはピカ先輩の血筋だ。



「っこの!ボール返せ!馬鹿!」



「返してたまるか!」



潜在能力の引きあがった御劔は、俺を卓越したドライブで抜くと誰も寄せ付けぬままゴール下へ走り、ワンショット軽々奪う。



水高35-22荒商



「こら椿ちゃん!簡単に抜かれんな!」



「分かってら!オフェンス一本!」



流れを掴ませないために、すぐに戻り、有ちん先輩からのスローインを受け取り、またローテンポなドリブルをする。



ダム、ダム、ダム。



落ち着いて、秀吉キャプテンが決死の思いで稼いだリードを守るんだ。