【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~




ハーフタイムが終わり、水高メンバーはピカ先輩をスモールフォワードに、有ちん先輩をシューティングガードにし、再びコートに戻る。



「曜先輩……!」



「皆、久しぶり。強くなっとるけん戦うん楽しみやわ」



荒商の全員にとってピカ先輩は中学の先輩で、全員がこれからの試合に緊張と、それを越えるわくわくを孕んでいる顔付き。



「兄貴、勝つばい、あんたに」



「んー?歩ちゃんには、まだ早かよ」



見た目は逆転した兄弟だけど、貫禄というか、やっぱりピカ先輩は兄貴なんだな、なんて思う。



「それにねぇこっちには、可愛い可愛い、そんで、頼りになるガードの椿ちゃんがおるけん、強気で行くよぉ!」



そう言うと、ピカ先輩は可愛らしく笑い俺に抱きついた。



「えっ………兄貴がたまにめっちゃ美味いお菓子持って帰ってくる作り手のあん椿ちゃんって、あのマネージャーやなくて!」



弟、御劔が急に顔をしかめて由貴先輩を見た後、俺とピカ先輩を見る。



「………うん、『椿ちゃん』は俺だけど」



その答えに、御劔は肩をがっくり落とし、他のメンバーは大爆笑。



ごめん。そりゃ名前も女っぽいし、おやつ作りだけは自信あるから、そりゃ期待するよな、美少女を。