【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~




ハーフタイムになり、ベンチに戻った途端、ピカ先輩が秀吉キャプテンの方へつかつか歩く。



その顔は普段ふにゃふにゃしてるのに、今はエメラルドグリーンの目をぎらつかせ、見たことのないような表情だ。



「秀ちゃん………手、右手で、オーケーってやってみてくれんかな?」



きっともう、ピカ先輩は気付いてる。秀吉キャプテンの右手の痺れに。



秀吉キャプテンは無言で指示を仰ぐも、人差し指が痙攣し、上手くいかない。



「肥後学の高森ちゃんの言いよったことはこれやね。……秀ちゃん、何ば焦りよっと?秀ちゃんが馬鹿みたいに無理して点数取っても、比例して皆が心配するやん。少しは冷静になれ」



いつもとは真逆の言葉。



ピカ先輩だって、秀吉キャプテンと同じ。最後の夏で、このメンバーでプレイ出来るのを、1試合1試合、全て大事に噛み締めているんだ。