「あのねぇ、ピカ先輩にへばられたら困るんだよ。だからダーメ!」



「ちぇーっ!ケチンボ!」



そんなハムスターみたいな顔でプリプリされても怖かねぇっての。



次を考えている間に、勝敗は決まる。



114-110



87点差だった点差を、プライドで4点差まで縮めた菊地に、ガッツを見せられた試合だった。



「「「菊地!菊地!菊地!」」」



鳴り止まない菊地コール。それだけ、奴等は会場を動かしたのだ。



俺はその会場の雰囲気を噛み締めながら、席を立つ。



「お?椿どした?」



「トイレっす、トイレ!」



あんだけ動き回った後の40分強座りっぱだから、椿Jr.もパンパン…って俺はなんて下ネタヲォォ!!



「俺も着いて行くよ。試合凄すぎで、立ちきれんかったとよね」



先に動き始めた俺に着いてくるのは有ちん先輩。この人の滲み出る爽やかは一体何なのだろう、とぼんやり思った。