一瞬、全ての時が止まり、音も無くなる。



しかし、沸き上がる体育館からの歓声で、止まった時は動き正し、抱き合う泰ちゃんと行雲先輩に飛び付くピカ先輩と有ちん先輩を見て、俺も皆に向かって走る。



行雲先輩の背後に飛び乗るように抱きつくと、ベンチから秀吉キャプテンが走ってきて、ガシ、と抱きついて来るのが分かった。



これでまた……この人達とバスケが出来るんだ!



しばらく喜びに浸り整列すると、目の前には涙を浮かべる者、悔しそうに顔を歪める者、放心状態の者、様々な思いが滲む、慧心の選手達。



「俺達に勝ったとやけん…負けんな!絶対、負けんなよ!」



「ったり前!」



激闘をし、涙を流す柏原と、強く握り合う、右の掌。



負けてたまるか!連れて行くんだ、この人達も、俺達が勝ってきた学校の想いも全て、インターハイ本選へ……。