「しゃあ!走れェェェ!!」



「言われなくてもっ!」



そして、もぎ取ったボールを鋭く遠くに行雲先輩が飛ばして、俺は誰よりも早くそれに追い付く。



相手がディフェンスに着く前にゴール下にドリブルで切り込み、ひょい、とボールをゴールの中へ放り込む。



「スゲー速いぞあの一年!」



「ナイッシュー椿!」



「おおっし!ディフェンス一本!」



昨日試合後、鬼のように2対2のバスケをうちでした俺達四人は、ボルテージもMAXである。



そして、今の試合のことだけではなく、次の試合の為に秀吉キャプテンの手のことも計算し、今回は有ちん先輩をシューティングガードとして起用してもらったのも、勿論俺。



準決勝と決勝には、絶対に秀吉キャプテンが必要になる。無理はさせたくない。