「…………(その鍛え上げられた足腰のしなやかな筋肉、1on1での冷静且つ、うちのベンチ入りの迫田君のスピードを上回りやってのけたオフェンスは、英才教育な訳やな。どこの誰やろ、お父さん)」



「あのー、由貴、先輩?」



「ん?ああごめん。考え事しよったわ。ねえ、小鳥遊君、うちのバスケ部どうやと思う?」



どう…ねえ。



「バスケって五人編成ですよね?おそらく今試合してて上手いのは、三人…いや四人、かな」



まず、あの、素早く精密なシュートモーションで尚且つ、鳥肌が立つ程に美しいフォームで点を取っている、ヘアバンドの人。



スパッ…………



それはゴールネットのみを揺らし、 静かに地面に落ちる。



「キャプテン!ナイッシュー!!」



「浮かれるな!ディフェンス一本!」



そして、あの人はこのバスケ部のキャプテンらしい。