「こんな、個人的な思いでいるのにキャプテンをしているなんて、皆には申し訳なく思っている」




「いや、水高バスケ部のキャプテンはあんたが適任。他の線には勤まらない」



だって有ちん先輩は優しすぎるし、ピカ先輩は自由人だし、他の先輩はザコだし。



バスケをするようになって知った。このスポーツの厳しさや、楽しさ。



それは思うに、秀吉キャプテンの厳しい統率の中、ハイレベルな人達に関われているからだ。



話を聞いて、俺は思ったことを口にする。



「ねぇ、その約束さ、俺にも加担させて下さい。俺なら、チームメイトのコンディション考えながら、作戦立てられるでしょ」



「しかし、小鳥遊…」



「俺も見てみたいんすよ。インターハイ決勝戦の決勝点、有ちん先輩からのパスを決めるキャプテン」



ニカッと歯を見せて笑うと、険しい顔をしていた秀吉キャプテンの顔が、無表情ながら綻ぶ。