第4クォーター残り47秒。



互いに24秒ルールのオフェンスを死守し合い、得点は動かずの状況が続いていたが。



「残念!有ちん先輩はただのモブじゃない!動けるモブだ!」



有ちん先輩のレイアップが入り、遂に70対70の同点に。



「なんか、デブを庇う時のように褒めたやろ、小鳥遊」



「いや、デブじゃなくてモブっす!」



ハイタッチをしてディフェンスの配置に走る俺達は、最早、勝利を信じていた。



残り時間、21秒。



キャプテン三浦の支配力の行き届かない肥後学から、ひょい、とボールを頂くと、そのまま中からドリブルで切り込んでいく。