そして、運命の第4クォーター。



菊池のオフェンススタート。



俺達はマンツーマンディフェンスを最後まで変えることはなく、俺は菊池のキャプテン、木下につく。



「確かに冷泉の言う通りいい選手やけど、俺等を倒すのはまだ早かね」



「そっすか?そう思うなら、あんたの目は節穴かもね」



ダムダム、とドリブルをする木下がぐっと腰を低く落とす。そして、抜きにかかる体勢を取った。



でも、ね………。



「残念、それ、パスの為のフェイクなの、分かってるんだわ」




「なっ!?…………何故あそこに5番がおっとや!」



木下がパスを回したその受け取り先には、菊池の選手ではなく…有ちん先輩。



俺は、第4クォーターに差し掛かる前に、それぞれ他の四人にサインをすることを告げていた。



これは、有ちん先輩に言った、パスが回るから先回れ、のサインが効いた証拠。