視線が絡み合い、蘭さんの手が火照った頬にあてがわれる。
ドクン、ドクン……
激しさを増す鼓動だけが聞こえ、私は彫刻のように動くことも、目を逸らすことも出来ずにいた。
──けれど、その先に何があるでもなく。
ふっと微笑んだ蘭さんはふいに手を離し、ゆっくりと立ち上がる。
「お腹空いただろ、夕食の時間だ」
「……あ、はい……!」
あっさりと冷えていく頬に、ホッとしたような残念なような……
なんだろう、この不思議な気持ちは。
「あの、蘭さん──っ」
「ん?」
部屋を出ていこうとする蘭さんを、私は反射的に呼び止めていた。
何故だか、離れがたくて。
「私、もっと蘭さんとお話したいです」
「……僕も。今夜は眠くなるまで話そうか」
ドキドキしながら素直な気持ちを伝えると、彼はふわりと微笑んでそう応えてくれた。
ドクン、ドクン……
激しさを増す鼓動だけが聞こえ、私は彫刻のように動くことも、目を逸らすことも出来ずにいた。
──けれど、その先に何があるでもなく。
ふっと微笑んだ蘭さんはふいに手を離し、ゆっくりと立ち上がる。
「お腹空いただろ、夕食の時間だ」
「……あ、はい……!」
あっさりと冷えていく頬に、ホッとしたような残念なような……
なんだろう、この不思議な気持ちは。
「あの、蘭さん──っ」
「ん?」
部屋を出ていこうとする蘭さんを、私は反射的に呼び止めていた。
何故だか、離れがたくて。
「私、もっと蘭さんとお話したいです」
「……僕も。今夜は眠くなるまで話そうか」
ドキドキしながら素直な気持ちを伝えると、彼はふわりと微笑んでそう応えてくれた。