『僕か蓮、どっちか選んでよ』
そう言われ、私はビクビクしながら二人を見比べた。
どうしよう……。
蘭さんはとっても優しそうだけど、それだけの理由で選んだら後で蓮さんに『根性無しだな、お前』とか言われそうだし……
そんなことを思いながら恐る恐る蓮さんを見上げると、あの鋭い瞳で睨まれた(ような気がした)。
や、やっぱり無理!!
この瞳に怯えながら生活するなんて耐えられない!!
こんにゃくのような私の意志はあっさりと曲げられ、逃げるように蘭さんの前に移動する。
「私……蘭さんのお部屋に行きたいです!」
勢いでそう言うと、蘭さんは私の手を取ってふわりと微笑んだ。
その姿はまさしく王子様。