「……なんで、」
なんでお前がここにいるんだよ。
帰った筈じゃ……。
「……っ、は、話があるの……っ」
……話?
“話がある”
そう言ったにも関わらず俯いてしまった相原。
よく見れば、心なしか少し震えている様に見える。
……話って一体なんなんだよ。
ワケが分からず眉根をクッと引き寄せる。
っていうか信じらんねぇ。
俺、さっきお前にひどいこと言ったんだぞ?
なのになんでここに来れるんだよ。
そう思っているのに、内心かなり喜んでいる俺。
嬉しすぎて顔がにやけそうだ。
「……話ってなんだよ」
嬉しくて嬉しくて仕方ないくせに、口から出るのは素っ気ない言葉ばかり。
ホント、自分でもガキくせぇと思う。
……けど、どう接したら良いのか分かんねぇんだよ。
ホントは今すぐ駆け寄って抱きしめたい。
冷たくしてごめんって、
ひどいこと言ってごめんって謝りたい。
けど、それがどうしても出来ない。
素直に、なれない。
「……相原」
「……っ、」
さっき“絶対に振り向かせてみせる”って決意したばかりなのに。


