恋する君の可愛いつよがり。



けど、違った。



『な……にってただのクラスメイトでしょっ!』



アイツは俺の気持ちなんてこれっぽっちも気付いてなかった。



『どうせこれもからかってるだけでしょ!?佐久間はいつも私に意地悪しかしないじゃない!』



早く本物の恋人になりたくて。


他のことを考えられなくなるぐらい俺のことで頭一杯にさせたくて。


毎日毎日時間を見つけては構いに行った。


けど、まさかそれが仇となっていたなんて。


そんなの思ってもいなかったんだ。






アイツの気持ちを知った俺は、その後アイツと距離を取った。


本気だってことを証明したかったから。


からかってるんじゃなくて、意地悪してるんじゃなくて、好きだから構いに行ってるんだということを証明したかった。


それと、もう一つ。


もっと余裕を持ちたかった。



幼なじみと仲が良いってだけで狂いそうなほど嫉妬する自分を、アイツと距離を取ることでいましめたかった。