恋する君の可愛いつよがり。



「じゃ、また明日ね。良い報告待ってるから」


「……うん。頑張ってみる」



そろそろ帰らなきゃ、と言った由弦くんに何度も何度も謝罪とお礼の言葉を言って、その場でお別れした。


満面の笑みで手を振る由弦くんに渋りながらも手を振り返した私は、由弦くんの姿が小さくなるまでその後ろ姿を見つめる。



「……はぁ。憂鬱」



これから佐久間の元へ行くのかと思うと気が重くて仕方ない。


けど、佐久間とちゃんと話するって由弦くんと約束したし、自分でもこの気まずい関係をどうにか修復したいと思ってる。


だから、勇気を出して佐久間と話しなきゃ。


……うん、がんばろう。



依那ちゃん、由弦くん。

私頑張るから応援しててね!



グッと両拳を握りしめた私はそう強く決意して、佐久間のいる体育館へと足を踏み出した。