恋する君の可愛いつよがり。



さっきは暗いから分かりにくかったけど、近くで見るとこの男の子、かなりのイケメンさんだ。



ゆるやかに右へと流れている焦げ茶色の髪の毛。


その髪の毛は左側だけ耳にかけられていて、妙に色っぽく感じる。


その髪色に反して真っ黒な瞳は、目尻が少しだけ垂れていて、すごく印象的。


笑った時にふにゃっと円を描く三日月型の瞳が凄く可愛いと思った。



なにか、運動でもしているのかな?


座っていても分かるほど背が高い男の子は服を着ていても筋肉質だということが分かる。



……背格好は佐久間と似てるかも。



ってまた佐久間のこと考えてる!



気づけば佐久間のことばかり考えてる私は、本当の本当に重症かもしれない。



「……ねぇ、何か悩んでるの?良かったら俺、聞こうか?」


「……っ、」


「大丈夫。誰にも言わないよ」



そう言って、フッとほころんだ男の子の頬。


初対面のはずなのになぜかその笑顔に安心感を覚えて。



「実は……」



気づけば佐久間とのことをつつみ隠さず全て話していた。