申し訳なさそうに頭を下げてくれる男の子に慌てて両手を振るけれど、最後はやっぱり恥ずかしくなってしまい、尻すぼみになってしまった。
……あぁ、もう最悪だ。
よりにもよって知らない人に愚痴を聞かれるなんて。
ショック……。
「えっと、大丈夫?」
「……え、あ、はい、大丈夫です!」
不意に落とされたその言葉に慌てて顔を上げれば、目に飛び込んできたのは男の子の心配そうな顔。
私が顔を伏せたからまた泣いてると思ったのかな?
そうだとしたらホント優しい。
初対面の、しかも海に向かって叫んでる不審な女をこんなにも心配してくれてるんだもん。
優しすぎるよ。
「……なんかすみません。ありがとうございます」
「ううん。良かった」
……うわっ。
ホッとため息をついた後、満面の笑みでほほえんでくれた男の子に不覚にも胸がきゅんとときめいて。
かぁっと頬に熱が溜まっていくのが分かった。