「これからどうしたらいいんだろう……」


闇夜に溶けていく私の小さな独り言。


心地好い波音に耳を澄ませながら岩場にそっと腰かけて、目の前の景色をぼんやりと眺める。


普段だったら怖くて夜の海になんか絶対に近寄らないけど、今日はなぜかずっとここにいたい。


そう思うのはきっと、目の前にある果てしない水平線と金色に輝く綺麗な三日月のせいだと思う。



「綺麗……」



あまりにも綺麗なその景色に、涙はいつの間にか消えていて。


代わりにフフッと小さな笑みが零れ落ちた。



「一緒に、見たいなぁ……」



佐久間と。





そう、ポツリと呟いた時だった。




「──ねぇ、何かあったの?」



波の音と一緒に耳に届いたのは、穏やかな男の人の声。