恋する君の可愛いつよがり。



頭の中に浮かんだのは夢みたいな淡い期待。


だってだってだって。

どう考えてもそれってヤキモチってことだよね!?

絶対絶対そういうことだよね!?



佐久間はなにも言っていないのに、勝手にそうだと決めつけている私。


もしヤキモチだとしたら、今すぐ両手を上げてスキップしたい!



そう思っていたけど。



「え、無視?瞬、無視?」



世の中そんなに上手くはいかないらしい。


武ちゃん先輩の呼びかけをフル無視した佐久間は、ゴール下に行ったかと思うと持っていたボールをゴール目がけてシュートした。


緩やかなカーブを描き、ゴールに吸い込まれていくボール。



──スパッ。



ネットの音が静かに響いた後、ボールは床の上を数回跳ねて再び佐久間の手の中へと戻っていった。