恋する君の可愛いつよがり。



「えっ?佐久間?」


まさか佐久間が現れるなんて思ってもいなかった私は、変な体勢のまま固まってしまった。



「おー、瞬。やっと来たか」


「……え?」



えー!!



「ちょ、」



まさか武ちゃん先輩、佐久間が来ること知ってたの!?



武ちゃん先輩の口振りから察するに、武ちゃん先輩は佐久間が来るのを知っていて、しかも待っていたらしい。



ちょっと!知ってたんならなんでそれを教えてくれなかったの!?


私にとったらそこが一番肝心なとこなのに!



「なに突っ立ってんだよ。ホラ、早くこっち来いって!」



え、ちょ……!


佐久間に向かって手招きする武ちゃん先輩に心臓が大きく飛び跳ねる。


待って待って待って。

私、まだ心の準備が出来てないのにっ!