恋する君の可愛いつよがり。



話しかけたいと思ってるけど、ぶっちゃけそんな時間がない。


同じ体育館で練習してても練習メニューが別だから関わることないし。


それに、今の佐久間に話しかけるなんて、そんな恐ろしいこと出来るわけがない。


だって、練習量がハンパないから疲労で男子部員みんなピリピリしてるんだもん。


今話しかけたら余計に関係が悪化しそう。



だから、仲直りは余裕が出来た時で………って、それだったらいつ仲直りしたらいいの!?


合宿中はずっとこのスケジュールなんですけどっ!!





「ねぇ六花。アンタさっきから一人で何ブツブツ言ってんの?」

「……へ?」



あぁぁぁぁ、と心の中で絶叫していると、いぶかしげな表情で私の顔をのぞき込んできたななちゃん先輩。



「いや、なんでも……」



私は持っていたボールをバウンドさせながらアハハと笑顔でごまかし、輪から離れる。


……あぁ、ヤバイ。ホントどうしよう。


合宿初日にして早くも仲直り計画がくずれ落ちていくなんて……。