恋する君の可愛いつよがり。


そんな佐久間もやっぱり朝から晩まで練習はキツいようで。



「こんなに練習して明日の試合出来んのかよー」



合宿一日目にして早くも弱音を吐いていた。


どうやらやる気があるのは聖南高校との練習試合だけらしい。



佐久間は50メートルダッシュを20本やり終えたところで床に転がり、休憩。


けど、転がっているのは佐久間だけじゃなく、男子部員のほとんどが息を切らして大の字になって転がっていた。




「うわー。あたし、男子部じゃなくて良かったかも」

「うんうん。分かる」


屍と化している男子部員を見て顔を引きつらせている女子部員たち。


もちろん私もその中の一人で、いまだ転がったままの佐久間をチラチラとバレないように盗み見していた。