そんな私たちに追いうちをかけたのは、男子バスケ部のキャプテン、武ちゃん先輩だった。
「お前ら、泣くのはまだ早いぞ。これから地獄の三日間が始まるんだから」
「ひっ……!」
「もう武也!これ以上ビビらさないでよ!!」
うぅ。ななちゃん先輩、もう遅いです。
だって、先輩たちみんなこの世の終わりみたいなリアクションしてるんだもん。
周囲を見回せば私よりも打ちひしがれてる先輩達の姿があって。
それを見た一年生が顔を青白くさせている。
だけど、若干一名。
ウキウキと声を弾ませている男が一人だけいた。
「へぇー。聖南高校ねぇ……。楽しみじゃん」
そう。
それは一年生にしてレギュラーを勝ち取った男、佐久間 瞬。
佐久間は持っていたバスケットボールをクルクルと人差し指で回し、余裕顔で口笛を吹いている。