……え。ちょっと待って。幻?
今、笑ったよね?佐久間、笑ったよね?
……うん。確かに笑った。
かすかだけど、確かに通りすぎる直前、佐久間が笑ったのを確かに見た。
「六花?どうしたの?固まって」
「……ち、ちーちゃぁ~ん!!」
「ちょ、六花どうしたの!?」
あまりの嬉しさに、顔を覗きこんできたちーちゃんにいきおいよく抱きついた私。
当然ちーちゃんは意味が分からず目を丸くして驚いていたけれど、今の私には説明してる余裕なんかない。
……嬉しい。もしかしたら佐久間と仲直り出来るかもしれない。
依那ちゃん、頑張る!私頑張るよ!
気合い十分の私は佐久間と仲直り出来ることを夢見て燃えていた。
まさかこの合宿で一波乱あるとも知らずに。