恋する君の可愛いつよがり。




「……え、ちょ、」



ちょっと待って。ありえないんですけど。



今の状況。

それは、私にとって最大のピンチとも呼べるもので。



「な、ななちゃんせんぱ……っ」


「はいはーい。さっさと行って。なんなら一番後ろで女一人、男に混ざって座る?」


「……うっ」



にっこり、黒い微笑を浮かべるななちゃん先輩に思わず一歩後ずさる私。



ど、どうしよう……!


佐久間の隣と後部座席。


そのどちらかに座るかなんて、そんな選択、私には出来ない!

ど、どうしたらいいの!?