恋する君の可愛いつよがり。


……なん、で?

いつもなら絶対に絡みに来るのに。



「ちょ、佐久間!?オイッ、待てって!」


湯川くんも佐久間のその態度に驚いたのか、佐久間と私を交互に見てオロオロしていた。


当然だろう。


今までの私たちを知っている人から見れば、今の佐久間の態度は不自然極まりないのだから。



「……っ、」


湯川くんは去る間際までなにか言いたそうにしていたけど、結局なにも言わないまま佐久間を追っていった。


残された私はポツンとその場に立ちつくし、佐久間達が消えていった方をただ呆然と見つめる事しか出来ない。