恋する君の可愛いつよがり。




「六花、アンタ佐久間となにがあったのよ」


「……分かんない。そんなの私が聞きたいぐらいだよ」



なさけない声でそう言った私は、崩れるように机に突っ伏し、うなだれる。


そんな私に「なにそれ」と依那ちゃんの呆れた声が落ちてくる。


……ホント、聞きたいのはこっちの方だ。


そう心の中で呟きながら思い出すのは、ここ数日間のこと。




あれから、私は佐久間とケンカしなくなった。


そもそも、佐久間とケンカしていたのは佐久間が突っかかってきてたからであって、

佐久間がなにもしに来ないんじゃケンカにはならない。



あんなことがあった後にこっちからなんて気軽に話しに行けないし、それに、完璧に無視されているわけではないから余計になにも言えない。