「あっ!テレビ録画したらいいじゃん!ねっ、そうでしょ?瞬」
「あー……」
あぁもう、いい加減うっとうしい!
甘ったるい喋り方にイライラが最高潮に達して、握りしめていたシャーペンがミシミシと音を立て始めた。
「六花(リッカ)」
「なに、依那(エナ)ちゃん」
「その顔ヤバイって」
「あぁ!芯折れちゃった!」
依那ちゃんのため息とシャーペンの芯がボキッと折れたのはほぼ同時で。
顔よりも芯が折れたことの方がショックだった私は、先っぽを失った愛用のシャーペンを見てガックリと肩を落とした。
「はぁ……」
そんな私を見て、またまたため息を吐き出す依那ちゃん。