恋する君の可愛いつよがり。


さっきは足を思いっきり踏んで逃げられた。


けれど、今はそんなこと出来そうにない。


そんな軽い雰囲気じゃない。



なんでこんな状況に陥っているのか。


なんで佐久間はイラついているのか。


私には見当もつかなかった。




混乱する頭。


早なる鼓動に思考が乱され、もうなにも考えられない。


けれど、この状況から脱しなければということだけは頭の片隅にあって。



「佐久間、離してっば……!」



とりあえず壁に縫いつけられた両腕をどうにかしようと力任せに動かしてみた。


けど、どんなに動かそうとしても両腕はびくともしない。