「……しゅ、ん」
「……ん？」
「瞬……」
小声だけどそうハッキリと呼べば、
「──合格」
その声とほぼ同時に、キスが落ちてきた。
それは、さっきのキスとは違う、まるで食べられちゃいそうなほど深いキス。
「……っ、もう、ばかっ！」
離れたと思ったらまたキスされて。
それを何度も繰り返された私は、佐久間が満足した頃には息も絶え絶えになっていた。
「わりぃわりぃ。思ったより破壊力があって」
「……っ、な、なにそれ！？」
満面の笑みで笑う佐久間にそれ以上何も言えなくなって。
あまりの恥ずかしさに佐久間の肩にポスッともたれかかる。
「……で？“本物の恋人”になる？ならない？」
「……っ」
ここまでしておいてよくそんなセリフが言えたものだ。
「どうする？」
いつもなら絶対あまのじゃくな部分が出てきて『ならないから！』って言ってると思う。
でも、今日はそんなこと言わない。
「なるに決まってんでしょ！！」
だって、素直になるって決めたから。
