「英語の先生って安藤先生でしょ?よくそんな呑気に笑ってられるね」
「これでも焦ってるし」
どこが?
全く焦ってる様には見えないんですけど。
英語の安藤先生と言えばかなり厳しいということで有名で、忘れ物をしようもんなら大量の宿題が待っていると聞いたことがある。
私は安藤先生に当たったことはないけど、噂はよく聞くからあまりいい印象は持っていない。
そんな先生の授業に忘れ物をした慶太。
哀れというかなんというか。
「というわけで辞書貸して」
「嫌」
「なんで!?」
「あ~もう嘘だってば。だからそんな泣きそうな顔しないでよ」
今にも泣きそうな慶太をヨシヨシと宥め、鞄の中から辞書を取り出す。


