「六花ちゃん、大丈夫?」
「うん、傷だらけだけどそんなに痛くないから大丈夫だよ」
手足が出ているせいで擦り傷と打撲が目立つけど血は出ていない。
っていうか、傷を負ってる私より、どちらかと言えば精神的にやられてる高崎さんの方がひどそうだ。
そりゃそうだよね。
好きな人にこんな姿見られたんだもん。
ショックを受けるのは当たり前だ。
「高崎さん」
そんな高崎さんに追い打ちをかけるように声をかける由弦くん。
けれど、それは責めてるような口調じゃなく、どちらかと言えば優しい声色で。
優しい由弦くんのことだから、高崎さんの気持ちが分かってるんだと思う。
「あ……、先輩、ごめんなさ──」
「それは俺に言うことじゃないよ」
「……っ」
「謝るなら六花ちゃんに謝って」
由弦くん……。


