「え……あ……瞬く……」
突然現れた佐久間を見てやっと正気に戻ったのか、高崎さんの手からバッドが落ちてカラカラと転がっていく。
「佐久間!!佐久間っ!!」
「……っ、大丈夫だよ。んなデケェ声出すな」
何言ってんの!?
まともに食らったんだよ!?大丈夫なわけないじゃない!!
覆い被さるように私を抱き締め、バッドから庇ってくれた佐久間。
背中を殴られたのか、肩を押さえて顔を歪めている。
どこが大丈夫なのよ!全然大丈夫じゃないじゃない!
「佐久間、」
「お前はどうなんだよ」
「え?」
「怪我、してねぇか?」
「……っ、馬鹿。私の心配なんかしてる場合じゃないでしょ!」
ほんと、馬鹿。
どこも怪我してないよ。
殴られる前に佐久間が守ってくれたから。


