「高崎さん、何が言いたいの?佐久間のこと?」
「……っ」
え?違うの?
キュッと口を結んだまま何も言おうとしない高崎さんに首を傾げる。
佐久間のことじゃないとすれば一体なんなの?
私と高崎さんの間で思い当たる人物と言えば佐久間しかいないんだけど……。
「高崎さ──」
「うるさいっ!!なんでアンタなの!?あたしの方がずっと前から好きだったのに!!なんでアンタばっかり!!」
「ちょ、高崎さん……っ!」
突然スイッチが入ってしまったらしい高崎さんは、すぐ傍に置いてあったバッドを私に向かって振り回し始めた。
ちょ、うそでしょ!?
いくら適当に振り回してると言っても、相手は金属バッド。
当たったら痛いって言うだけじゃ済まされない。
ヘタすれば大怪我する。
「高崎さん落ち着いて!!」
とにかく落ち着かせないと自分の身が危ない。


