恋する君の可愛いつよがり。




「──六花、なんで怒ってんの?」


「さぁ?佐久間と社会科教官室に行った後
からあんな感じ」


「なんかあったのかな?」


「分かんない。慶太、聞いてみなよ」


「うーん……。りっ──」


「聞こえてます」


「……ですよねー」



真横で喋ってんのに聞こえない方がおかしいっての。



「慶ちゃん、なんか用?」



机に伏せていた身体をのっそり起こしてそう問いかければ、



「……うっ。六花、冷たい……」



ふにゃりと哀しげに目尻を下げる幼なじみの慶太。